こんにちは!ITキャリアのプロの鈴木たかのりです!
未経験エンジニアの方でQAエンジニアが気になっている方はいませんか? もしくは初めて聞く方も多いかもしれません。QAエンジニアは、ソフトウェアやアプリが正しく動作するかを確認し、より良いものにする仕事をするエンジニアたちです。
たとえば、スマホアプリが途中で止まってしまったり、誤作動を起こしたりすると困りますよね?そんな問題が起きないようにするのがQAエンジニアの役目です。ユーザーが安心して使えるアプリやサービスを提供するための「品質を守るプロフェッショナル」だと考えてください。
この記事ではQAエンジニアについて、よりくわしく説明していきたいと思います!
QAエンジニアの役割は?
「品質を保証する」という言葉を聞くと少し難しく感じるかもしれません。簡単に言えば、「作ったものがちゃんと動くようにチェックする人」というイメージです。
具体的には以下のような作業をチェックします。
- スマホアプリで「ログインボタン」を押したらログインできるはずなのに、反応しない。
- 通販サイトで、カートに入れた商品が注文画面に反映されない。
- ゲームで、特定のステージに進もうとするとアプリが落ちる。
こうした問題(バグ)を見つけ出し、開発者に伝えて修正してもらうのがQAエンジニアの大事な役割です。最終的に、ユーザーが快適に使える製品を届けることを目指します。
QAエンジニアの仕事の流れ
QAエンジニアの仕事は、ソフトウェア開発の最初から最後まで様々な形で関わり、製品の品質を確保することにあります。以下に、QAエンジニアがどのように業務を進めるのか、具体的な流れを詳しく説明します。
(1) 要件を確認する
最初に、プロジェクトの目標や目的を開発チームと話し合い、「何を実現したいのか」を理解します。ソフトウェアがどのように動作すべきか、その要件を明確にする段階です。たとえば、アプリで「ボタンを押すとメッセージを送れるようにする」という目標がある場合、そのボタンがどんな動きをするのが理想なのか、具体的に把握します。このステップがしっかりしていないと、テストで確認すべきポイントが曖昧になり、後の作業に影響が出るため、重要なプロセスです。
ポイントとして、要件を確認する際に疑問があれば遠慮せず質問し、全体像をクリアにすることが成功のカギです。
(2) テスト計画を立てる
次に、ソフトウェアを「どのような手順で」「どこを重点的に」「どんな順番で」テストするかを計画します。この段階では、テストの対象となる機能を細かく分けて、それぞれの動作をどのように確認するかを決めます。
たとえば、ログイン画面の場合、「正しいパスワードを入力すればログインできるか」「間違ったパスワードではエラーメッセージが出るか」などの確認項目をリストアップします。このリストをもとに計画的に進めることで、見逃しが減り、効率的なテストが可能になります。
ポイントとして、思いつきで進めるのではなく、リスト化やスケジュールを明確にして計画的に進める姿勢が大切です。
(3) 実際にテストする
計画が整ったら、いよいよ実際にテストを実行します。この段階では、テスト計画で決めた項目に従ってソフトウェアを操作し、正しく動作するかを確認します。
たとえば、スマホアプリで「登録」ボタンを押して、正しく情報が保存されているかをチェックします。もしエラーが発生した場合は、どの操作で問題が起きたのかを詳しく記録します。この記録が後のバグ修正に役立ちます。
ポイントとして、発見した問題だけでなく、問題が発生しなかった場合も記録しておくことで、進捗や品質を正確に把握できます。
(4) 不具合の報告と追跡
テストの中で発見した不具合やバグを開発チームに報告し、その修正を依頼します。この際、単に「エラーが出た」と伝えるだけではなく、「A画面でBボタンを押したときに、Cというエラーが表示された」というように、問題が発生した状況を具体的に伝える必要があります。
また、開発チームが修正を行った後、その修正が正しく行われたかどうかを再テストするのもQAエンジニアの仕事です。これにより、問題が確実に解決されていることを確認します。
ポイントとして、開発チームとスムーズに連携するために、報告内容を簡潔かつ明確に伝えることが大切です。
(5) 改善提案
QAエンジニアの役割は、問題を見つけるだけにとどまりません。ソフトウェアをより使いやすくするための改善提案を行うことも求められます。たとえば、「エラーメッセージが技術的すぎるので、もっとわかりやすい表現に変えるべき」というような提案がこれに当たります。
改善提案を行う際には、常にユーザーの視点に立つことが大切です。ユーザーが困らずに、快適に利用できるかどうかを考えながら、アイデアを開発チームに共有します。
ポイントとして、ユーザー目線で考えた具体的な提案を行うことで、ソフトウェアの品質向上に大きく貢献できます。
初心者が最初に身につけるべきスキル
QAエンジニアとして第一歩を踏み出すとき、必要なスキルがたくさんあるように感じるかもしれませんが、初心者がまず注力すべきスキルはシンプルです。それは、「丁寧に確認する力」と「わかりやすく伝える力」の2つです。この2つを意識的に身につけることで、QAエンジニアとしての基盤がしっかり整います。それぞれについて詳しく説明します。
(1) 丁寧に確認する力
ソフトウェアのテストにおいて、丁寧に確認する力は最も基本的で重要なスキルです。この力があれば、小さな問題でも見逃すことなく、予想外のバグを発見できる可能性が高まります。具体的には、ソフトウェアの様々な操作を試し、「この部分は本当に問題なく動作しているか?」という視点で確認を進めます。たとえば、「ボタンが片手でも押しやすいか」「間違った情報を入力するとどうなるか」といったように、現実的な利用場面を想定してテストを行います。
初心者の場合、最初は「どんな操作を試せば良いのか?」が分からないこともあるかもしれません。その場合は、実際にユーザーとしてソフトウェアを使う気持ちで操作をしてみると良いでしょう。「この機能が使いにくいな」と感じることがあれば、それがテストのヒントになります。大切なのは、あらゆる可能性を想定して丁寧に操作を確認する習慣をつけることです。
(2) わかりやすく伝える力
バグや不具合を見つけても、それを開発者に正確に伝えられなければ、解決への道筋が曖昧になってしまいます。そのため、「わかりやすく伝える力」が必要です。このスキルは、ただ単に説明するだけでなく、簡潔かつ具体的に問題点を伝える能力を指します。
たとえば、「画面AでBという操作を行うと、Cというエラーが表示されました」と記録すると、開発者は問題が発生した状況をすぐに理解できます。この際、操作手順やエラー内容を具体的に記録することがポイントです。また、スクリーンショットや動画を添えることで、さらに分かりやすく問題を共有することができます。
初心者の場合、最初は報告が長くなりがちですが、「どの画面で」「どんな操作をしたときに」「何が起きたのか」を意識して整理することで、伝える力は徐々に磨かれていきます。開発者にとって理解しやすい情報を提供することが、円滑な問題解決につながります。
QAエンジニアの仕事の魅力
QAエンジニアの仕事には、初心者でもやりがいを感じられるポイントがたくさんあります。この職業を通じて得られる喜びや達成感は、単なるテスト作業を超えた価値をもたらしてくれます。ここでは、QAエンジニアならではの魅力をいくつかご紹介します。
(1) 問題解決の達成感
QAエンジニアとして特に嬉しい瞬間は、自分が発見した問題が解決され、それによって製品が改善される瞬間です。バグや不具合を見つけ、それを開発者に伝えた結果として問題が修正されると、「自分の仕事が製品の品質向上に直接貢献した」と感じることができます。このような経験は、他の職種では得られにくい達成感をもたらしてくれます。
たとえば、「このバグを見つけたおかげで、ユーザーが困らずに使えるようになった!」という実感が得られることがあります。QAエンジニアが製品の裏側で支えた成果は、最終的に多くのユーザーの快適な体験に繋がります。この達成感こそが、QAエンジニアの仕事の醍醐味と言えるでしょう。
(2) 製品が完成する過程を間近で体験できる
QAエンジニアのもう一つの魅力は、製品が完成するまでのプロセスを間近で体験できる点です。ソフトウェア開発は、アイデアが形になり、最終的にユーザーの手に渡るまでの長い旅路です。QAエンジニアはこの過程のあらゆる段階で関与し、製品がどのように成長していくのかを目の当たりにできます。
たとえば、最初は動作が不安定だったアプリが、QAエンジニアのテストと開発者の修正を繰り返すことで、徐々に完成形へと近づいていく様子を実感できます。このプロセスに立ち会うことで、自分が関わった製品が世に出るまでの全体像を把握することができ、大きな満足感を得られるでしょう。
(3) チーム全体に貢献できる
QAエンジニアは「品質を守る役割」を担う重要な存在として、チーム内で信頼されるポジションにいます。特に、バグを未然に防ぐことで開発の効率を上げたり、リリース後のトラブルを減らすことでプロジェクト全体の成功に貢献できる点が、この職業の魅力です。
たとえば、「君のおかげでバグを事前に防げたよ!」とチームメンバーから感謝されることは少なくありません。製品の品質だけでなく、チームの信頼関係を築く上でもQAエンジニアの役割は欠かせません。こうした他者からの評価や感謝の声は、仕事へのモチベーションを大きく高めてくれます。
まとめ
QAエンジニアは、ソフトウェアやアプリを支える重要な役割を果たします。「ユーザーに喜ばれるものを作りたい」「ものづくりに携わりたい」という気持ちがあれば、初心者でも一歩ずつ成長していける職業です!